塊根の花 (八房龍之助/メディア・ワークス |
「謎の青年医師・ジャックとその友人にして助手のジュネの周囲には、いつも怪異と事件の影が。そんな日常の中、2人の前に現れた謎の美女・オードリー。果たして彼女の目的は?」
タイトルは「塊根の花」ですが、短編で10編収録。このオードリーが出てくる「誰も知らない・知られちゃいけない・何も言えない・話ちゃいけない」の4本は一つのお話です。
<<何を読んでるんでしょ?>>
是非聞いてみたいです。
この「塊根の花」、「仙木の果実」からジャック&ジュネシリーズの2冊目です。って2冊目から紹介すんのはどーかと思うんですが、こっちの方が入りやすい気がね。
ジャックが魔法使いという特殊な人間ですが、イギリス版京極堂。手間隙かけた贅沢な無駄を結晶した作品だと思って読んでいただければ。
自分で産まれる腹を選べる子、死んだ妻でハープ作っちゃった音楽家、食人儀礼とかゾンビとか、なっちーの走狗にぷるとにうむで動くろぼっと。盛りだくさんですな。わはははは!
かなりオカルティックな嗜好をお持ちの八房さん。オカルト好きにはオススメなんですが・・・これ元ネタ全部わかる様な人が読んだら面白いだろーなぁ。
半分もわかんねぇ^^;)
でもオカルトをナナメに見て信じ切れない方なら大丈夫!毒の効いた台詞が格好いいわ、気が利いてるわ、いや~クセになります。
「ヒトを分類するのに、自分と他人以外に何か必要なものかね?」
なんてね♪
<<オカルトネタの難しさ>>
この手の作品って作者が博識で無いと、エセ宗教臭くて見れたもんじゃねーんですよ。魔術やオカルトは新興宗教やテロ組織に通じるトコがあるので・・・ちょっと商業的には難しい臭いがする作品になっちゃうんですよね。
幽霊や悪魔を心から信じてる人が描けるのは怪談まで、でしょうか?
「狂信者に狂信者は描けない」って思うんですよ。
教義以外を受け付けないから狂信者ちゅーワケです。
自分の信じるモノは絶対だけど、文句付ける人は地獄に落ちるとか、悪魔だとか言い出したり・・・信じるあまりスゲー映画まで作っちゃったりして。
ま、そこの世界に属して無い人間から見ると、自己肯定が激しくて、薄ら寒い印象しか持てない作品が多いんですね。宗教的にはどうかわかりませんが、信者でない人間も見る商業的作品としては大変難しいかと。
自分としては何の先入観も無しで読んだ時、オカルトの徒や狂信者であるキャラが、どこか
マヌケで人間の臭いがしたらOK!ってな基準です。
もちろん「CROSS FIRE/平野耕太」ばっちりOKさ♪
これで慣れたら是非「宵闇眩橙草紙」もどうぞ!
ただ問題があるとすれば・・・メディアワークスの本って高いんだよねぇorz