不死鳥のタマゴ #1~#3(紫堂 恭子/角川書店 |
と、1巻のAmazon紹介。最新巻の3巻で完結です。
紫堂さんの描く「架空の生物」は全部可愛い!ちゅんは特に「にくがわいい」・・・憎たらし&可愛い・・・周囲の迷惑省みないパワフルさは、たまらんですよ。
他の作品と違って「喋る」って所が、にくがわいい感じを倍増してるかも。
<<コメディだけでは無い物語>>
ファンタジーの世界では、避けて通れないネタがありますね。
「戦い」をどう描くか。
辺境警備から王国の鍵まで、全作共通して「一方向だけでは無い」視点を持たれている様です。戦いに勝った・良かったという単純な話では無いと、しっかり考えられているのかと。
グランローヴァでは、読者に疑問を投げかけるだけでしたが、次第に深くハッキリとした輪郭で出てきています。ま、それをコメディに混ぜるあたりが、紫堂さんっぽいかも。
だから辺境警備の隊長:サウル・カダフなんてキャラ出てくるんでしょうねぇ。この人はいいっ!ある意味「理想の大人」だよね。
何をどう描いているのかは、私がグタグタ言うよりも、やっぱり読んでもらいたいかな。戦争モノが苦手な方でも、受け入れやすくなってますし。
ちゅーか私が言うと、どうも男らしい感想で・・・紫堂さんの作風と似合わない気がするんですよねorz
<<今日の世界と架空の世界>>
戦争と言う事象を捉えるのに「真実の映像」「悲惨な写真」だけが有効だとは考えてません。架空の物語でも、その役目は充分に果たせるんじゃないでしょうか?
それが顕著な作品と言ったらコレ「本当の戦争の話をしよう(ティム・オブライエン/文春文庫」今流通してる村上春樹訳版、とても読みやすくてオススメです。厚めに見えても短編集、もともと読みやすいですけどね・・・って、ネタの重さが激烈ですが^^;)
Amazonでも紹介されていますが、リアルな戦場が描かれている様でも、これはオブライエンが作り上げた「架空の話」でしか無いんですよ。だからと言って真実では無いなど、間違っても言えません。
「あるできごとが実際には起きていないという、ただそれだけの理由で、実際に起きたできごとよりも真実味がないということにはならない」
紹介文、その通りです。
現実でしか語れない事がある様に、物語には物語が語る事があるんじゃないかな?
オブライエンが言う「本当の戦争の話は、戦争についての話ではないのだ、絶対に」・・・ものすげー勢いで、コレに共感しちまったんでござる。ちっとも美しくも楽しくもない本でも、読まなかったら生きていけなかった。ってくらい自分にとっての名作なので~感想も評論もナシ!オススメするだけっす^^;)
まぁ、思っている以上に、誰にでもわかりやすい正義を語るのは簡単なんですよ。正論だからこそ反論し難い、共感を得られやすい・・・でも単純な正義ほど変質するのでは?
戦争は悲惨です。でも、アナタは銃に手をかけた兵士を「人殺し」と非難できますか?
もう少し考えた方がいいんじゃないの?・・・ってな話でした。今日はそんな日。