ハイペリオン上・下(著:ダン・シモンズ 訳:酒井 昭伸/ハヤカワ文庫) |
いや~満足・満足~
このシリーズは
ハイペリオン→ハイペリオンの没落→エンデミオン→エンデミオンの覚醒
の各上下巻・合計8冊。全部積み上げたら「タワー」です!20cmはありますね。
でも、結構すらすらイケるのよ。理由は「オムニバス形式の導入部」じゃないかと思いますね。
7人の主要登場人物が各々の人生を語って行くんですけど、これが「まったく違ったタイプの話」になっているのて、飽きずに読めちゃうんです。
ハイペリオンに入っているのは、こんな話。
○神の名を叫んだ男・・・再生する神父
損傷した肉体が蘇る、十字架型の物質を埋め込んだ神父の話なんですが、再生の過程が、まるでどこかの「リジェネーターの神父様」みたいでございますっ!!
この話を読んだら、あとは最後まで行くしかないですよ。この再生方法には欠陥が・・・こわ~
○戦場の恋人・・・最強の兵士
主題<時間の墓標>が出てきます・・・後は・・・エロかったです。
○ハイペリオンの歌・・・言葉を失った詩人
これは・・・ちょっと馴染みが無い感覚。王と道化、または詩人の苦悩。ん~
○忘却の川の水は苦く・・・若返っていく娘を持った学者
若返り病・・・清水玲子さんが「Magic(短編・白泉社・Magicに収録)」で描いてますね。
清水さんは、若返っていく好きな女性だったのですが、若返って記憶も無くしていく自分の娘を見守るという展開に加え、親には過酷すぎる運命が・・・泣く!本気で泣く!「鉄道員/浅田次郎」で泣いた人は必ず泣きます。
○ロング・グッバイ・・・殺された「人格」を探す探偵
なんか「ゴクウ/寺沢武一」みたいな探偵さん・・・女だけど。格好ええなぁ~
○思い出のシリ・・・領事が語った物語
ちょっとコレだけ語り口が違いますね。本人の話じゃないんで。
世界観はもうゴッタ煮状態!未開の惑星からサイバー空間までフルコースでした。
でも一番最初に取り上げられ、最後まで重要になってくるのが「キリスト教」をベースにした宗教。もちろん教皇さまも出てきて、現代のカソリック風な宗教になっていますけど・・・やっぱ腐敗してんだよね・・・
このシリーズは、ある教会の設備をお借りしてた時、待ち時間を利用して読み始めたんですよ。それも「バチカン直属」の由緒ある教会・・・神父さまイタリア人。ガチで。
ぎゃ~知らなかったんですよぅ~失礼だった。迂闊だった。ちょっと反省(^^;)