パンドラ#1~4(谷甲州/ハヤカワ書房 |
「動物生態学者・朝倉は、ハヤブサ科の鳥、チョウゲンボウの群れの渡りを追跡している際に、
通常ありえない高度の飛翔ルートに取る異常行動を観測した。朝倉は、このことからある仮説を導きだし、その仮説を裏付けるような異変が報告されはじめる。
それは単なる動物の異常行動ではなく、地球の命運を左右する凶変の始まりにすぎなかった。
人類の生存を賭けた熾烈な戦いを描いて、人類存在の根源に迫る、究極のハードSF。」
確かに「ハードSF」谷さんのハードウェア描写は精密かつダイナミック。ハード好きな方には絶対オススメな筆致です。
ただ今作は・・・うーん、ちょっと消化不良な、でもテーマに沿っている様な。
楽しめないか?って言うとそーでもないし。
<<地球が小さくなったんだよね>>
情報伝達速度で計ったら。
異変が地球規模で起こる。
「人類の存亡を賭け」る程の大規模な変動。そりゃ宇宙でも熱帯雨林でも珊瑚礁でも、さほど差が無い時間軸で変動が観測されるでしょう。
でも、どんな離れている場所の情報でも、ネットがありゃ~同時間軸で起こる出来事を1人の人間が把握しきれても変じゃない。むしろ出来てしかるべき。
が!それがどうもね、物語のスケールを縮めてる感orz
地球規模の出来事が手のひらに乗っかっちゃっていいのかよーと・・・突っ込みたくなるのは何ででしょう?
<<文句垂れてますけど面白いんですよ!!>>
ひとつひとつのエピソードは興味深いし、出てくる人物も味がある。
文庫2巻からの「マハカム川」での話が特に面白かったですね。
かいつまんでみますと
「各地で人間の集落が動物に襲われる事件が相次いで起こっていた。獣害事件と呼ばれてはいたが、人間の集落は「統率された獣」に襲われていたのだった。
・・・まだ「敵」の全貌はわからず、起きた出来事に対処するだけが精一杯の人類。
この事態を受け自衛隊からも調査隊「緊急派遣隊」が編成され、現地に駐留していた。朝倉は派遣隊のリーダー饗庭(あえば)三佐に協力を求められる。」
饗庭さんが格好良かっただけじゃないぞぅ~^^;)
まったく未知の生物と戦う一方なのか、そうじゃないのか。もし融合していくならどうするのか?
この辺もうちょっと掘り下げて欲しかったなぁ。
どうもエピソード同士が上手く噛み合わない様な、微妙なイライラ感が残念。
体調や時期が合わなかったんでしょうか?また時間おいて読んでみるかも。