鵺の砦(福島聡/エンターブレイン |
「鵺(ぬえ)は、いる。
何かを恐れるように、他者との関わりを避け、自我に埋もれる人々と共に。
それでも鵺は、
重なり、群れ集い、重なりあって
生きる。」
こういう作品、あまり内容・あらすじを紹介しても意味がない気がするんですよ。
一読しただけでは感覚的すぎて難解、現実感がまったく無く、作品解釈が激しく分かれるだろう・・・サブ・カルチャーらしい作品ですから。
ん~「サブ・カルチャー」ってロリ娘がらめぇぇ~ってヨダレ垂らしてる絵の事じゃなく、醜悪・残酷、あまり触れたく無い「人の本質」を探る文化だったんじゃねーかと・・・最近じゃ「厨二病」って片付けられそうですけどね。もう私個人の感覚でしか無いのかな。
<<みかんスープ>>
作品「みかんスープ」後書き
「ヒロインを、救えば、あるいは、都合のよい、悪を、仕立てて、それを、倒せば、世界を、救うことになる、なんてモノを観ると虫唾が走ります。
だからといって救いが無い作品はどうなのよと。病んでます。」
はい、ワタシも病んでます^^)
エンターティメント作品が素晴らしい様に、感覚的な作品にも素晴らしさがあります。
よくある勧善懲悪物語にカタルシスはありますが・・・ふと虚無感が襲ってきたりして。現実世界は何も誰も救われていないのに、私たちは安堵の体で暖かい寝床にもぐり、平和な世界を甘受する・・・反吐が出そうで素晴らしいっす。
救いが無い残酷な物語を読み、消えていく命に共感し美しさを儚む。残酷な世界で生き延びたことを喜び、今だ残酷なままの世界に怒る・・・自身のあまりにくだらない矮小さに反吐が(ry
まーなんですなーどっちもどっちで、行ったり来たりしちゃう精神の柔軟性ちゅーかなー正しく清く楽しい作品だけになったら、ホントに正しい方向に来てるかどうかで迷いそうですよね。
それに何より飽きるじゃん^^;)
<<すみれの花>>
森薫さんとの合作作品。作画が森薫さん。
メイド服では無い森さん作品は珍しいです。なんかもーメイド服だけじゃなくて、制服全般好きらしいですわ森さん。セーラー少女がリリカルで良しですよ。
昨日の「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない/桜庭一樹」が少女が描く少女なら、「すみれの花」は大人の女性が描く少女。
そういや表題作「鵺の砦」は感覚作家が描く少女だねー
いやいや多種多様で面白い一冊でしたわ。
全然売れないだろうけど、こういう作品好きなんで、廃れないで欲しい!
コミックビームとIKKIは頑張って欲しい雑誌ですわ。もちアワーズも^^;)