高杉さん家のおべんとう#1(柳原望/メディアファクトリー |
「一清&千沙姫シリーズ」「まるいち的風景」とファンタジー系作品しか読んでいませんでしたが、現実味がある世界観を描かれてましたので、まるっきり現実世界の「高杉~」も全然違和感無いです。
むしろこういう何気ない風景こそが見たかったかも。嬉しいなぁ。
では、あらすじはカバーから
「博士号は取ったものの、無職で大学の研究室にいる温巳(はるみ)は未来へ見通しもつかないまま日々を過ごす31歳。
ある日若い叔母の美哉(みや)が急逝し、12歳の従姉妹・久留里(くるり)を引き取る事に。
他人に心を開かない久留里との共同生活。ふたりが近づくきっかけは「おべんとう」だった。」
料理マンガ、好きですねー読んでも腹は膨れないのに^^)
なぜ料理マンガを読みたくなるんでしょうか?
<<メインディッシュは何ですか?>>
料理(or素材)の蘊蓄が面白い、バトルが熱いとか、色々な要素はありますが、料理を介在した人間関係の変遷を読みたいんですよ。
そ、料理は大事だけど、あくまで脇役で。
「美味しそうな料理」を出したいなら写真入りのレシピ本を出したらいいのだし。
どんなに美味しそうな料理を並べられても、描かれている人間達に現実味が無かったらゲッソリしちゃうんですよ。味の想像が出来ない料理より、簡単に想像できる方が美味そうに見えるってヤツです。
ってな事を考えさせ、ワタクシを大満足させてくれたのが、この一冊。
出てくる料理は「きんぴらごぼう」「ハンバーグ」「こんにゃく(ピリ辛炒め」「かに(玉」「麻婆ナス」「納豆チャーハン」正確なレシピを書いても意味が無いメニューばかり。だってこういう基本的な惣菜って各家庭毎に味が違うでしょう?
でもいきなり家族になった温巳と久留里は「自分の家の味」がわから無い。
お互いの残された記憶を探って、もう一度家族の味を迷いながら再構成していく・・・その過程がほのぼのします。
が・・・後々、二人が生活に慣れ、日々の料理も慣れた味になったとしても、それは過去自分達が居た家庭の味とは同じにならないと思うのですよね。
頑張って「高杉家の味」と言っても、もう過去の高杉家じゃなくて「温巳と久留里で構成される高杉家の味」にしかならない。失ってしまった人は戻らない。変わらないままの味なんて無いワケで・・
もちろん、話が進むにつれ、家族として変わっていくことに積極的になる温巳、変化を受け入れる久留里。変化する関係が暖かいです
ん?ちょっと暑いかな?久留里可愛いんだけど気恥ずかしいよ(*ノ▽ノ)
頑なな娘が心を開くってシチュエーションには激弱っす。健気で可愛いなぁ久留里。